説得力を高める！評価される説明の仕方

企画のプレゼン、上司の説得、取引先への営業、同僚や後輩への指示・・・。効果的なコミュニケーションは、仕事での成功を左右させる、大事な要素です。

特に、自分の意見や提案を明確に伝え、相手を納得させる能力は、サラリーマンにとって不可欠です。ここでは、そんな仕事でのプレゼンや、日常のコミュニケーションで相手に影響を与え、ポジティブな結果を引き出すための具体的な方法を紹介します。

目的を明確にする

プレゼンや会議での説明がなんだか伝わらない・・・。そのように感じるときは、まず「明確な目的」が設定されているか見直してみましょう。

1.目的を明確にさせる重要性

目的を明確にすることで、相手はあなたの話を、ピンポイントで理解しやすくなります。プレゼンや会議、日常のコミュニケーションの中で、相手に「ん？今の何言ってるの？」という顔をされた経験は、ありませんでしょうか。その原因は、達成したい目標や促したい行動がハッキリと明示されていないからかもしれません。

2.目的を一言でまとめる

まず、自分が何を伝えたいのか、一言で言えるようにしてみましょう。これが出来れば、話の軸がブレることがなくなります。例えば、「今月の売上目標達成のための戦略」という話がしたければ、その一言は「売上アップ」までまとめることが出来ます。これがあなたの話の核になります。

3.相手のニーズを考える

次に、相手が何を知りたいのか、調査しましょう。自分が伝えたいことも大事ですが、相手が何を求めているかを理解することが、より大事になります。相手が聞きたいと思う説明は、自ずと耳を傾けてくれるようになるため、ニーズに合わせて、目的を調整することも良い方法でしょう。

4.目的を相手にハッキリと伝える

説明を行う前に、その目的を簡潔にまとめて、最初に伝えると効果的です。相手は、「この話がしたいのだな」と頭の中で整理出来るため、その後の説明がグッと入ってきやすくなります。些細なことですが、これを行うと、相手の理解度が全く変わってきます。

また、説明の内容によっては、その途中で脱線を挟むこともあると思います。その際には、「それでは、本題に戻って」と一言入れることを意識すると良いでしょう。話の本筋がブレることを防ぎ、相手にとっても聞きやすい説明に繋がります。

構造的に説明する

人に何かを説明するとき、ただ情報を並べるだけでは相手に伝わりにくくなります。

特に、日々の業務で上司や同僚、クライアントに対して、プロジェクトの進捗、提案、あるいは問題解決のためのアイデアを説明する機会では、構造的な説明を意識して、相手に自分の考えを明確に伝えることが重要です。

1.ストーリーテリングを活用する

人はストーリーに引き込まれやすい生き物です。自分の説明を一つの物語として捉え、始まりから終わりまで論理的な流れを持たせることで、聞き手の興味を引きつけることができます。たとえば、プロジェクトの提案をするときには、「現状の問題点」から始め、「なぜそれが問題なのか」を経て、「どのように解決するか」、そして「解決後の未来像」を描くという流れです。

2.ポイントを絞り込む

説明するときに、あれもこれもと情報を詰め込みすぎると、聞き手は混乱してしまいます。大切なのは、ポイントを3〜5つに絞り込むこと。そして、そのポイントを軸にして話を組み立てていきます。ポイントが明確であれば、聞き手もその論点に集中でき、理解が深まります。

3.論理的なつながりを意識する

構造的な説明では、各ポイント間の論理的なつながりが非常に重要です。前のポイントから次のポイントへ移るときに、なぜその話題に移るのか、そのつながりが自然であることを意識しましょう。論理的なつながりがあると、聞き手は「なるほど、そういうことか」と納得しやすくなります。

4.簡潔なまとめを用意する

最後に、説明の終わりには、話の要点を簡潔にまとめることが大切です。これにより、聞き手は説明のポイントを再確認でき、記憶に残りやすくなります。まとめるときには、「今日お伝えしたいのは、〜です」という形で、自分の話の核心を再度、強調しましょう。

具体例を用いる

日々の仕事で説明を求められるときには、複雑なアイデアや概念を相手に伝えるなければならないこおとも多いでしょう。そんな時に、このプロセスをスムーズに、そして効果的にする最も強力なツールの一つが、具体例を用いることです。

1.具体例が効果的な理由

私たちの脳は、抽象的な概念よりも、具体的な情報をずっと簡単に理解し、記憶します。例えば、「顧客満足度を向上させる」という抽象的な目標を掲げるよりも、「顧客からの問い合わせに24時間以内に回答する」という具体的な行動指針を示した方が、相手には明確で理解しやすいでしょう。

また、具体例を用いることで、話が生き生きとし、聞き手の興味を引きやすくなります。自分の経験や、身近な人の体験談を交えながら説明すると、ただの数字やデータが持つ冷たい印象が和らぎ、メッセージに温かみが加わります。

2.相手の興味やレベルに合わせる

具体例を選ぶ際は、相手の興味や知識に合わせることが重要です。例えば、ITに詳しくない人に対しては、日常生活での例え話を用いると良いでしょう。一方で、専門家に対しては、より専門的な事例を引き合いに出すことが効果的です。

3.感情を交える

具体例に感情を交えることで、より強い印象を残すことができます。成功例を挙げる際には、その成功がもたらした喜びや達成感を、失敗例を挙げる際には、その失敗から学んだ教訓や感じた後悔を共有することで、聞き手の共感を呼びます。

4.視覚的に示す
可能であれば、具体例を視覚的に示すことも有効です。グラフや写真、図表を用いることで、抽象的な概念をより具体的に、視覚的に理解してもらうことができます。

5.繰り返しを利用する
同じ具体例を話の中で何度か繰り返すことで、その例が持つ意味や重要性を強調することができます。ただし、繰り返し過ぎると聞き手を飽きさせてしまうので、適度なバランスが大切です。

フィードバックを求める

説明の際に、きちんと相手に伝わっているか、フィードバックを求める習慣をつけると、より効果的です。良いフィードバックを得られると、その場を成功させるだけでなく、その後の成果にも大きく影響を与えてくれます。

1.答えやすい質問を準備する

良いフィードバックを得るための最初のステップは、明確かつ具体的な質問を準備することです。多くの人が陥りがちな例に、あいまいな質問をしてしまうことが挙げられます。例えば、「このプレゼンテーションをどう思いますか？」と聞くような質疑応答の仕方です。「このプレゼンテーションの構成について、伝わりにくい部分はありましたか？」や「この案に対する改善点や提案はありますか？」といった具体的な質問の方が、相手は答えやすく、あなたも有益なフィードバックを得やすくなります。

2.タイミングを見極める

次に、フィードバックを求める際のタイミングも重要です。すべてを話し終えてからでなく、適切なタイミングで相手に意見を求めることで、より具体的かつ建設的なフィードバックを引き出すことができます。例えば、重要なポイントを説明した後に一時停止して、そのポイントに関するフィードバックを求める方法があります。これにより、相手も内容をよく覚えている段階で、質疑応答に臨めるため、集中しやすく、具体的な意見を出しやすくなります。

3.質疑応答を歓迎する

フィードバックを求める際には、オープンマインドであることを相手に伝えることが大切です。自分の意見や提案に対する批判を恐れず、むしろそれを歓迎する姿勢を見せることで、相手も率直な意見を共有しやすくなります。このとき、「あなたの意見を真摯に受け止め、改善に役立てたい」という意志を伝えることがポイントです。

フィードバックを受けた後は、それに対して感謝の意を示し、どのように活用するかを共有することも忘れないようにしましょう。これにより、相手は自分の意見が価値を持ち、実際に役立っていると感じることが出来ます。また、次回からも積極的にフィードバックを提供してくれるようになるはずです。

4.態度で示す

さらに、良いフィードバックを得るためには、相手の話を真剣に聞くことが不可欠です。ただ心の中で思うだけではなく、相手が話している間は、目を見てうなずく、メモを取るなどして、興味を持って聞いていることを見た目で示しましょう。

まとめ

効果的な説明は、サラリーマンにとって重要なスキルです。明確な目的を持ち、聞き手のニーズを理解し、構造的な説明や具体例を意識すること。一朝一夕に身につけることは難しいスキルですが、これらを心がけることで、あなたの仕事の成果は大きく向上するはずです。